ビジョン、ミッション、バリューは儲かるのか。

沼田利和

「経営理念で飯が食えれば苦労はしない」そう思う経営者は多いはずだ。その背景には、経営理念というものへの誤解があるからなのだろう。「理念はあくまでも理念でしかなく、稼いでいるのは商品、サービスであり、それを売るための営業力なのだ」と。だから経営企画室が経営理念の見直しを企画しても、経営者に優先度を下げられてしまう。仮にやってみようとなっても、うまくまとまらずにプロジェクトが頓挫したり、定められた理念が浸透、機能せず、「ほら見たことか」と言われてしまう。果たして経営理念で飯が食えるのか。ビジョン、ミッション、バリューは儲かるのか。今回はこのような視点でお話したいと思う。

プロジェクトコーチング®とは

沼田利和

SimmeLのサービス提供スタイルである「プロジェクトコーチング」を定義したいと思う。プロジェクトコーチング(Project Coaching)とは、プロジェクトのゴール達成とプロジェクトメンバーの教育を同時に実現する技術であり、組織開発の技法の1つ。 コンサルタントが「解」を与えるのではなく、「メンバー自らの意思ある解」によってプロジェクトを成功を導く「導育」「協働」「伴走」を行う。わたしたちのプロジェクトコーチング体型を図にすると以下のようになる。

ビジョン ミッション バリュー策定で起きやすい4つの問題と解決方法

沼田利和

ビジョン、ミッション、バリュー策定のプロジェクトでは、以下の4つの問題が起きがちだ。(1)ビジョンなのかミッションなのか経営理念なのかCREDOなのか言葉の定義ができず、何からどう考えていけばよいか分からない。(2)プロジェクトメンバー各々が様々な観点から意見し、まとまりがつかない。(3)経営者の想いが強く、周囲のメンバーがそれに迎合。十分なディスカッションが行われない。(4)社員の共感が得られない。浸透しない。1つ1つ順番に考えていこうと思う。

ビジョン ミッション バリューとは

沼田利和

ビジョン、ミッション、バリューを新たに設定したり、見直す企業が増えている。SimmeLでも、ビジョン、ミッション、バリューの策定支援のプロジェクトが増えてきている。わたしたちの顧客の場合、上場やリーダーの交代、経営企画室の新設などのタイミングか、業績低迷を打開するための戦略見直しの一環で、こういったプロジェクトが発生している。ビジョン、ミッション、バリュー策定プロジェクトにおいて、わたしたちが一番最初に行うのがキーワードの定義だ。