SimmeLのサービス提供スタイルである「プロジェクトコーチング®」を定義したいと思う。
プロジェクトコーチング®(Project Coaching)とは、プロジェクトのゴール達成のためのコンサルティングと、プロジェクトメンバーの教育を同時に実現する技術であり、組織パフォーマンスを向上させる組織開発技法。 コンサルタントが「解」を与えるのではなく、「プロジェクトメンバーの意思ある解」によってプロジェクトを推進し、成功に導くための「教育」「協働」「伴走」を行う。
わたしたちのプロジェクトコーチング®体型を図にすると以下のようになる。
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図中※1 インタラクションについてはこちらのページを参照ください。
わたしたちが重要視しているのは現状把握だ。プロジェクトの状態がどうであるかはもちろんのことだが、それを推進する組織(チーム)やメンバーのサーベイを行わなければ、導き教えることなど不可能である。また、組織・個の性格やメンバー間のパワーバランス、人間関係、感情、思惑を明らかにすることで、プロジェクトの思わぬ座礁を防ぐことができる。「課題のない完璧なチーム」であれば、戦略だけを提供すれば良いのだろう。しかし、課題のないチームなど、そうない(そんな素晴らしいチームはSimmeLに依頼してこない)。
プロジェクトコーチング®において難しいのは、「WHAT HOW構築」のフェーズだ。WHAT構築を意識的にも無意識的にも行えるメンバーが参画していれば、極めてスムーズにプロジェクトの設計ができる。不在であれば、わたしたちがリードしながら考え方を教えていく。末端メンバーにWHAT構築は難しいのでは?というご意見をいただくこともあるが、精度の高いWHATが作れなくとも、それにトライすることが重要だと考えている。考えていくための視点学習と視点管理(=誰がどんな視点で事象を捉え、思考できるようになったか)によって、土台を作っていくことができる。経験値と創造性がWHAT構築力を養うのであれば、早期から取り組むことに何の問題も発生しない。
プロジェクトコーチング®において最も重要なコンセプトは「プロジェクトメンバーの意思ある解」に基づくプロジェクト推進だ。100%の戦略や解をコンサルタントが与えて実行できないことよりも、80%の戦略や解をメンバー自らが苦悩し、編み出し、腹落ちした状態でやり切ることの方がはるかに優れていると考えている。前者はひとたびコンサルタントが離れてしまうと「考えられない組織」に逆戻りする問題が発生するが、後者ではそうならない。SimmeLがいわゆるコンサルティングと一線を画すのは、この部分が大きい。
WHAT→HOW→DO→CHECKサイクルは、プロジェクト開始当初、わたしたちの協働と伴走によって実現するが、徐々にチームだけで行えるようになっていく。これを継続していくことで自立組織が確立するため、その成長に合わせて、わたしたちは伴走する頻度や量を減らしていく。それでもプロジェクトが座礁しかねない問題は起きるので、時として強めの介入を行うこともある。これがSimmeLのプロジェクトコーチング®である。
沼田利和
SimmeLの方法論もご参照ください。